またもジンクスを破る男現る
「西村英久」
2017年、2018年の全日本剣道選手権大会で見事優勝を果たし、史上3人目となる連覇を成し遂げた男こそ「西村英久」です。剣道5段という彼が強敵をなぎ倒し見事優勝した姿には勇気を与えられましたが、今回はそんな「西村英久」選手についてご紹介していきます。
1987年大分県中津市に生まれた英久少年ですが、小学3年生の時に父の勧めで剣道を始める事になります。一般的に頭角を現すような人たちに比べれば少々遅めのスタートにはなりますが、ダンダンと興味を増していき稽古に明け暮れるようになります。中学を卒業した後は、剣道をするために強豪の九州学院高等学校へと進学します。団体戦においては2年生から大将を務めるなどメキメキと頭角を現し始めました。その後、大学は筑波へと進学し、そこでも中心選手として活躍をします。
得意技は小手
筑波大学時代は優勝こそ退いていたものの個人戦に関しては無類の強さを誇っていました。そのためついた異名が「無冠の王者」というのですから皮肉なものです。さて、そんな西村選手ですが、得意技は小手です。相手のちょっとしたスキを見つけて一瞬で勝負をつける姿が非常に印象的です。身長170cmではありますが、比較的がっしりした体に似合わずすばしこい動きを見せて相手の一瞬のスキを誘っていきます。現在は熊本県警で奉職しながら日々鍛錬を続けています。
記憶に新しい熊本自身の際には職務を最優先し人命救助に向かったという事です。やはり、そのあたりは警察官ですから立場をわきまえた行動を取る事になりますね。しかし、これだけ強い警察官がいれば県民としても安心できますね。連覇を果たした際には地元の大分県内ニュースに載るなど地元の人気者でもあります。これだけ強くて優しいお巡りさんがいれば地元の人も応援したくなりますよね。
ジンクス再三崩れる
初めて全日本剣道選手権をしたのは神奈川県会の宮崎氏です。そして、その当時は「全日本剣道選手権は連覇できない」というジンクスがはびこっており、宮崎氏も当然のようにどこかで負けるかと思われましたが、ズバズバ敵を葬り去り、ついには長年のジンクスを突き破る事になりました。そして、その弟子にあたる高鍋氏が2010年、2011年に史上2人目となる連覇を果たしましたが、それに続く再三のジンクス破りを西村選手は起こしました。
西村選手の得意技
素早い小手を武器に連戦・連勝を重ねた西村選手ですが、もちろん強さの秘密はそれだけではありません。ここからは西村選手の強さの秘密に迫っていきます。
西村選手強さの秘訣1 小手
先ずは何と言ってもはずせない西村選手の代名詞である「小手技」です。相手との間合いを保ちながら一瞬のスキをついて下に回り込みそこから一気にしとめる小手の速さは多くの剣士たちが恐れる必殺の一手です。初動が小さくほとんど見えないため、相手も対応するタイミングが遅れてしまいます。そのため、防ぎたくても防ぎようがありません。そのようなミスを許されないという状況に追い込む事によって精神的に有利な状況に立つことになりますので、それが相手の動きを固くします。するとますます小手技が決まりやすくなったりその他の技が決まりやすくなります。
西村選手強さの秘訣2 引き面
次に特筆すべきなのは引き面です。がっちりした体からは想像がつかない素早い動きで引くと見せかけつつ去り際に面を放つという高度な技です。一本にする事は難しいとされていますが、たとえ一本にならずとも相手としてはそういった技がある事も頭に入れる必要があるため非常に厄介な技です。一撃必殺というよりはじわじわと効いてくる技です。
西村選手強さの秘訣3 払い技
この払い技も西村選手の得意技として見逃せない技になります。鍔迫り合いの時に相手が突っ込んでくる力を利用して刀を落とさせることで「竹刀落とし」という反則を狙います。相手としても先ほどの引き面やら払い技やらで頭が段々混乱してくるので、そういった意味で勝負中の駆け引きが上手いのかなと感じます。どのタイミングで技を発揮すると相手が嫌がるかを熟知しているため、味方にはしたいが絶対に敵にしたくないタイプです。少しでも気を抜けば一瞬で間を詰められ一本を取られてしまいます。
飛ぶ鳥を落とす勢いで力をつけている現在最もホットな剣士
西村選手はなんと連覇の前に2015年にも全日本剣道選手権大会において優勝を果たしています。つまり、今現時点において最もホットな剣士であると言っても過言ではありません。ノリに乗っている状態ですのでここから先、さらに勝ち進み新たな歴史を切り開いていく可能性が充分にあります。また、年齢的にも剣道家が最も強くなると言われている30~35歳の年代にさしかかる事になるため、今後もしかしたら西村時代が来る可能性は大いに考えられます。
剣道大好きまっすーです。
剣道好きな人に喜んで頂ける記事を多数書いていきたいと思います。
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