「佐々木陽一郎」
剣道関係者の方であれば一度は名前を聞いた事がある選手ではないでしょうか。中には知らないという方もいるでしょうから先ずは動画で彼について紹介をしたいと思います。下記の動画は平成25年度の関東大会にて茨城の強豪水戸葵陵高校の選手と戦っているところです。両者実力者だけに相手の見方を伺いながら慎重に試合を進めています。
強さの秘訣:高輪高校
彼の活躍に触れる前に紹介をする必要があるのが、彼が所属をしていた高輪高校である事は間違いないでしょう。東京都港区高輪にある中高一貫の高輪高校は部員数こそ少ないもののこれまでにインターハイで3度優勝(1997年・2000年・2004年)を果たしている実力のある高校です。
そして高輪高校の強さを支えている絶対的支柱が甲斐監督でした。「でした」という表現が気になる方もいるでしょうが、実は同監督2015年を最後に監督を引退しています。その熱意と人脈を使ってチームを強豪に育て上げた甲斐監督ですが、1978年の監督就任から各地の道場に頭を下げては強い選手と中高生を戦わせるという一風変わった稽古を取り入れある意味武者修行のような形で選手を鍛え上げていきました。また、その監督の姿勢が次第に認められ各地から選手が集まるようになり、チームの底力を挙げる事になっていきました。また、それに応える形で学校としてもスポーツ推薦で選手を獲得するという体制をとっていました。しかしながら、先ほども申し上げたように2015年を最後に教鞭を離れた甲斐監督の引退と共に学校としてもスポーツ推薦の制度を廃止しています。
強さの秘訣2:筑波大学
佐々木選手の強さを支えるもう1つの存在は筑波大学でしょう。大学剣道の頂点に君臨する学校として毎年安定的に勝ち進んでいます。これまで数々の名だたる剣士を世に輩出しており、卒業生の多くは教員になるか警察官となり奉職に就きながら剣の道を究めていきます。
練習環境も非常に優れており、先ず何よりもスタッフや各地から集まる選手の層がとてつもないスターぞろいです。しかし、大学剣道では数多くの部員を抱えてその中で競争を促す学校も多い中、筑波大学は少数精鋭の態勢をとり、一学年はおよそ10数名という人数しかいません。逆に自らに厳しい選手が多いので少数精鋭でさらに選手の自主性を高めさせ成長を促しています。
佐々木選手の在学中には史上最年少21歳と5ヶ月で全日本剣道選手権大会を制した竹ノ内選手も在籍をしていました。実際に竹ノ内選手が4年生、佐々木選手が2年生の際には第63回全日本学生剣道優勝大会において2年ぶり12回目の優勝を飾るなど目覚ましい活躍を見せています。竹ノ内選手は世界大会のメンバーにも選ばれるほどの実力者で、そういった選手を間近において稽古に励める環境は強豪たるゆえんでしょう。
佐々木選手の強さは小さい頃から
佐々木選手は小さい頃から非常に力のある選手として知られていました。名門東松館で県を磨いています。下記の動画では後半に小学6年生の佐々木選手が同上連盟全国大会で優勝して表彰される様子が映し出されています。そして、甲斐監督の元、高校生時には個人のインターハイ優勝も果たすなど堂々たる成果を上げています。
佐々木選手強さの秘訣1 おごらない
そして、佐々木選手の強さの秘訣の1つとしておごらない精神面での強さがあります。どうしても小学生の頃から強さを保ち続けて勝ち続けるとおごりたくもなってしまうものですが、佐々木選手はそういった事がなく非常に堅実に稽古にも励みます。ただでさえ力のある選手が精神的にも強く稽古をたゆまず行うわけですからドンドン成長していくのも納得がいきます。
佐々木選手強さの秘訣2 動じない
動画の前半最後に茨城の強豪宮本敬太選手と対戦している様子が映し出されています。飛ぶ鳥を落とす勢いのチームや個人に対しても動じずに挑めるのが佐々木選手の強さの秘訣です。小学生時代に日本一になったという自信もあるでしょうが、それ以上に厳しい稽古に耐えてきているという自負があるのでしょう。決勝でも高校剣道界の覇者九州学院の曽我選手に堂々の戦いぶりを見せています。
最後に
いかがでしたでしょうか。佐々木選手の強さに関して中心的に述べてきましたが、彼は人間的にも素晴らしいです。その証拠に勝利を収めた際に仲間の喜びようも凄いものがあります。剣の強さももちろん大切ですが、やはり人間的な成長を出来るというのが剣道の良さでもありますのでその点をまさに体現している選手です。
剣道大好きまっすーです。
剣道好きな人に喜んで頂ける記事を多数書いていきたいと思います。
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